趙範

不詳 ~ 不詳 (209年以後) · 不詳 · 一勢力の主

趙範の肖像

兄嫁を趙雲に娶せようとして断られ、後に逃亡した桂陽太守

能力値

統率28武力21知力32政治58魅力56

カード

攻撃力 2体力 2コスト 1価値 4職分 能吏

正史

出典 · 『三国志』蜀書先主伝 · 趙雲伝裴松之注の『趙雲別伝』 · 『華陽国志』劉先主志

趙範は後漢末、荊州桂陽郡の太守でした。字や出身、生没年は伝わらず、『三国志』先主伝と『華陽国志』に名が一度出てくるほか、趙雲伝の裴松之注に引く『趙雲別伝』に数行があるだけです。

建安13年(208)冬、赤壁で敗れた曹操が北へ帰ったのち劉備が南の四郡を攻めると、先主伝は、武陵太守金旋・長沙太守韓玄・桂陽太守趙範・零陵太守劉度がみな降伏したと記します。『趙雲別伝』によれば、趙雲は江南平定に従って偏将軍となり、趙範に代わって桂陽太守を兼ねました。

『趙雲別伝』は、趙範に寡婦となった兄嫁の樊氏がいて国中随一の美人であり、趙範が彼女を趙雲に娶わせようとしたと記します。趙雲は「互いに同姓なのだから、あなたの兄は私の兄も同然だ」と言って固く辞退しました。ある人が受け入れるよう勧めると、趙雲は「趙範は追い詰められて降伏しただけで心の内は測れず、天下に女は少なくない」と言って、ついに娶りませんでした。趙範ははたしてのちに逃亡しましたが、趙雲は少しも意に介しませんでした。

史書に残るのはこれだけです。趙範がいつどこへ逃げたのか、その後どうなったのかは記されていません。

範寡嫂曰樊氏,有國色,範欲以配雲
趙範には寡婦となった兄嫁の樊氏がいて国中随一の美人であったので、趙範は趙雲に娶わせようとした『三国志』蜀書趙雲伝裴松之注の『趙雲別伝』
範迫降耳,心未可測;天下女不少
趙範は追い詰められて降伏しただけで心の内は測れず、天下に女は少なくない『三国志』蜀書趙雲伝裴松之注の『趙雲別伝』

三国志演義

『三国演義』 第52回

演義で趙範は第52回にだけ登場します。馬良が荊州南部の四郡を攻めて銭と穀物を集め、根本とするよう勧めると、劉備は零陵を得たのち桂陽を攻める者を探し、趙雲と張飛が互いに行くと争ってくじを引いた末、趙雲が兵三千で出発します。桂陽太守趙範は、劉備は大漢の皇叔であり、趙雲は長坂で百万の軍の間を無人の野を行くように出入りした人物だとして、戦わずに降伏しようと言いますが、山の猟師出身の校尉陳応・鮑隆が出て戦うと言い張ります。陳応が趙雲に捕らえられ、放されて戻ってくると、趙範は印綬を捧げて出て降伏します。

趙範は酒席で趙雲に「将軍も趙氏、私も趙氏ですから五百年前には一つの家であり、将軍が真定の人なら私も真定の人です」と言って義兄弟の契りを求め、同い年で四か月早く生まれた趙雲を兄として仰ぎます。翌日の城内の宴で、趙範は白い喪服を着た兄嫁の樊氏を呼んで酌をさせ、兄が亡くなって三年になる兄嫁は、文武を兼ね備えて名が天下に聞こえ、風采が堂々としていて、亡き兄と同姓の人でなければ嫁がないと言っており、趙雲こそその人だとして娶わせようとします。趙雲は「すでにお前と兄弟の契りを結んだのだから、お前の兄嫁はすなわち私の兄嫁だ」と大いに怒って席を立ち、恥をかいた趙範が左右に目配せして害そうとすると、拳で趙範を殴り倒して城を出ます。

趙範は陳応・鮑隆を偽って降伏させ、戦場で趙雲を捕らえようとしますが、趙雲はたくらみを見抜いて二人を斬り、その兵を先に立てて夜に城門を開けさせ、趙範を捕らえます。わけを尋ねる諸葛亮に、趙雲は、義兄弟の兄嫁を娶れば人に後ろ指をさされること、その女性が節操を失うこと、降ったばかりの趙範の心の内は測れないことの三つを挙げ、一人の女のために主公の大事を誤るわけにはいかないと言います。劉備は趙範を許し、そのまま桂陽太守とします。演義で趙範が登場するのはここまでです。

正史と演義の相違点

生涯

  1. 209劉備が南の四郡を攻めると、韓玄・金旋・劉度とともに降伏しました。郡を携えた二太守
  2. 209『趙雲別伝』によれば、趙雲が彼に代わって桂陽太守を兼ねました。
  3. 209寡婦の兄嫁樊氏を趙雲に娶わせようとして断られ、のちに逃亡しました。兄嫁を勧める

年表の中のこの人物

歴史年表でこの人物が登場する出来事です。札はその出来事が正史と演義にどう記されたかを示します。

家族

兄嫁 樊氏(亡き兄の妻)

縁

邂逅 出会うと互いに防壁が上がる

遺した言葉

この武将がゲームの中で実際に口にする言葉です。

戦場に立つとき

桂陽から来た。

口を開くとき

桂陽の趙範である。縁談の話はなさるな。

言い返すとき

好意すら罪になる世の中か。

言葉に詰まって

…わが好意がまた禍の元か。

言葉に詰まって

今度は本心だ。

舌戦に勝って

縁談さえ除けば、わしも使える男よ。

舌戦に敗れて

趙子龍を思い出すな…。

勝ったあと

桂陽は守ったぞ。

敗れたあと

…兄嫁に合わせる顔がない。

倒れるとき

兄嫁のことは…わしの過ちだ。